ベーチェット病と診断されるまで・・・5
ベーチェット病と診断されるまで
前回の続きです。
入院中に関わった人たちの話
■お医者さん
いろいろな科のいろいろなお医者さんにお世話になりました。
私はお医者さんたちのことを心から尊敬しています。
こんなに人を助けるのに直結する仕事ってあるのでしょうか。
病気をすると、お医者さんたちが神に見えます。
数々の実績あるデータと患者さんの症状を照らし合わせて、物事を判断していく姿、本当にかっこいいです。
いつもお医者さんたちには、感謝の気持ちでいっぱいです。
たまに研修医の若手の方にあたると「大丈夫かな?」と正直不安になったりもしますが、今後医療界のスペシャリスト・名誉教授になり、たくさんの人々を救うかもしれません。
献血時に針をぐりぐりされ、血管を探されても気にしません。
いまでも全国の研修医さん・医学生さんたちは、心の中で全力で応援し続けています。
■看護師さん
看護師さんはベテラン風の方から若手の方までたくさんいらっしゃいました。
みなさん揃って感じが良く、とても良い印象だったのを覚えています。
裏では女同士の寡黙で陰湿な戦いがあるのかもしれませんが、そんなこと微塵にも感じませんでした。
朝昼晩ごはんを運んでいただいたり、体調チェックをしていただいたり、声をかけていただいたり、安心して入院生活を送ることができました。
■友人
他人に心配をかけたくない私は、母親に、入院していることを一切他言しないでほしいと伝えていました。
ただ当時代表を務めていた大学のプロジェクトで、どうしても参加しなくてはいけないミーティングがありました。
そのときに「実は入院しているから参加できない。」と仲の良いメンバーにメールをしたところ、「お見舞いに行きたいので病院を教えてほしい。」と返信がきました。
丁重に何度もお断りし、入院生活を送っていたある日、突然その友人がお見舞いにきて驚きました。
私の顔を見るなり「どうして教えてくれなかったの!?」と一言。
どうやら自宅に電話して、母親に無理矢理入院先を教えてもらったとのことです。
お見舞いに来てくれたことにお礼しつつ、心配をかけるから病院名は秘密にしてほしい旨伝えました。
が、なんやかんや3人の友人が入れ替わり立ち代わり何度もお見舞いに来てくれました。
いま思い返すと、あのとき病院に来てくれてよかったです。
当時お見舞いに来てくれた人は、8年経った今でもとっても仲が良く、何でも話せる友人です。
私のあの暗黒時代を知っているからこそ、私の考えに対して非常に理解があります。
だから、もし入院している方で他人からのお見舞いをことごとく断り続けている人がこのブログを読んでくれていたら、
ちょっと考え直してみるのもいいかもしれません。
お見舞いに来てくれるひとは、一生のかけがえのない関係性になる可能性が高いと私は思っています。
■同じ病室の患者さん
個室の後に移動した大部屋は4つのベッドがありました。
入院中はヒマな時間が多いため、同じ部屋の人とお話をすることもあります。
お向かいのベッドの方は、当時22歳の私より少し若い女性でした。
生まれつき片目に持病があったが、ある程度の年齢になるまで手術ができないとのことで、ようやくこの日を迎えた、ような話を聞きました。
目は大事だよね~と初めて他人と共感できた気持ちになりました。
お隣のベッドの方は、30代くらいの女性の方でした。
その方はなんとレーシックを失敗して、治療中とのことでした。
幸い片目だけだったのでよかった、と話していました。
その方はとても大人で「自分が選んでやったことだから仕方ないと諦めている」と事実を受け入れていました。
またここで、目は大事だよね~と共感しました。
ただ、よくよく考えると上記の2人と私は、片目が見えにくくなっているという事実は同じだけど、1つだけ違うことがありました。
それは、2人は「原因がはっきりしているから、治療法がある」ということです。
そこだけは共感することができなかったので、少し寂しい気持ちになったのを覚えています。
ベーチェット病の疑い!?
ベーチェット病と診断される前に、必ず「ベーチェット病の疑い」となるのが一般的な流れではないでしょうか。
初めて疑いと言われたのは、入院生活も1週間を過ぎようとしていた頃でした。
女医さんといつものように私の病気について話している流れの中で突然告げられます。
女医「うーん、いろいろ検査しているけどはっきりしないねぇ。ぶどう膜炎の場合、様々な病気の可能性があって、検査をしていく過程で消去法をしていくのだけど、全く異常が見つからないなぁ。」
私「そうですかぁ・・・(しょんぼり)」
女医「もう一度聞くけど、本当に最近何か変わったことはない?」
私「う~ん、就活で疲れていたこととかですかねぇ。」
女医「他には?」
私「そういえば、関係ないかもしれないですが、10月から猫を飼い始めました。」
女医「あ、そうなの?(メモメモ・・・)他にはある?」
私「(そんな些細なことでもいいんだ。。)あ、そういえば!」
そういえばここで初めて思い出しました。
2月に大きな口内炎がたくさんできていたことを。
入院中、口内炎はだいぶ落ち着いていたのですっかり忘れていました。
ここで先月口内炎が大量発生したことを初めて女医さんに伝えました。
すると、、
女医「口内炎?そういうこともちゃんと報告してくださいね。」
私「はい、すみません。」
女医「そうすると、ベーチェット病の疑いになりますね。左目の炎症も目薬の影響か少し落ち着いて来ていることもあるので、ベーチェット病の可能性が高いです。」
ここで初めて「ベーチェット病の疑い」と告げられました。
普段自分の身体のことを気にしていなかったので、口内炎のことなどすっかり忘れていました。
また、こんなこと伝えても意味ないだろうと潜在的に自己判断をしていたのでしょう。
お医者さんには些細なことでも何でも、情報として伝えることは大事ですね。
自分の身体のことを知っているのは自分だけなのですから。
自分の身体を本当の意味で守れるのは自分だけなのです。
そのときちょっぴりそう思いました。
そのときはどんな病名を言われても覚悟はできていました。
ただまだ「疑い」の段階なので、なんかはっきりしないな~という気持ちでした。
そんなことが告げられた翌日、こんなことが起こるとは、誰も予想していませんでした。
あれ、なんか、、右目もおかしいぞ・・・
続く・・・